私の職場はグループホームです。
毎日個性豊かな9名の入居者と職員3名前後で日常生活を支援しています。
ここで改めて「グループホーム」について
「良く名前は聞くけどあれ?何ですか?」と言う方は多いのかと思います。
そこで今更ながらですが、今回の記事はこれまでもnoteに何度か関連記事を執筆しましたが、
「グループホーム」 の記事をアップデートしてみようと思います。
改めてグループホームとは?何ですか!
「グループホーム」正式には認知症対応型共同生活介護と呼ばれます。その定義がこちらです👇
認知症対応型共同生活介護(グループホーム以下グルホ)とは、認知症のある要介護者が共同生活住居において、家庭的な環境と地域住民との交流のもとで、介護スタッフによる入浴、排せつ、食事等の介護その他の日常生活上の世話及び機能訓練を行うことにより、利用者がもっている能力に応じて自立した日常生活を営むことができるようにする目的で提供されるサービス。
公益財団法人長寿科学振興財団 HPより
更に詳しく👇
1つの共同生活住居に5人~9人の少人数の利用者が、介護スタッフと共に24時間の専門的援助体制のもと、生活全般の介護を受けながら、料理や買い物などの家事にも参加したります。
公益財団法人長寿科学振興財団 HPより
形態としては民家型・アパート型・ミニ施設型など様々。施設によって1ユニット9名以下ですが、2ユニット以上のところもあります。
利用者は原則として、施設の所在地の市町村に住んでいる認知症要介護高齢者で、要支援1の人は利用できません。
グループホームを利用している間は、居宅療養管理指導を除く、介護保険の他の居宅サービスを利用することはできません。
と規定された介護保険を利用したサービスです。利用に当たり要介護認定を受け、判定から要支援2から要介護5と認定された方が利用可能となります。
流れについてはこちらより👇

認定後判定後の区分はこちら👇
- 自立
- 要支援1
- 要支援2
- 要介護1
- 要介護2
- 要介護3
- 要介護4
- 要介護5
続いて気になる利用料金について大雑把ですが入居初期とその後の料金について👇
①初期費用に入居一時金(賃貸住宅の敷金礼金的なもので、月額料金の2カ月分程度で徴収しない施設もあります)
②月額利用料金は10万円前後から20万円前後
③生活費として(②以外にかかるもの)👇
- 食費(基本三食分+おやつ代、行事食など)
- 住居費(暖房費、電気料金、水道料金なども含まれます
- 医療費(提携している訪問診療利用時、薬代などこちらは医療保険より徴収されます)
- 理美容費
- おむつ代(お住いの地区で要介護3以上の場合、購入費の補助する自治体があります。こちらは申請対応が必要です)
- お小遣い(2万円前後で入居者の必要物品購入や上記理美容代などの外部サービスなどの利用時。また飲み込みが悪い人、栄養状態が悪い人向けの補助食品購入などにも使われます)
- 趣味、行事参加時などの費用(個人によりお小遣いから差し引くところも)
以上を合算すると、月平均12万前後から25万円前後でしょうか。※1
※1:施設見学などで必ず確認が必要で、毎月の請求書を見て入居後トラブルになるケースあります。
あと入居者ご本人が生活保護対象者、医療・介護保険2割負担の方、障碍保持者で各種の免除制度利用者など利用金額に変動があります。

日々の暮らしを覗いてみると…
日常生活について
下記の様な流れで一日が過ぎます
- 起床:5時前後から朝食時間前後
就寝:夕食後18時前後からその方の自宅での入床時間(概ね21時前後の消灯時間まで) - 食事:朝7時前後朝食、10時おやつ、12時前後昼食、15時おやつ、17時前後
夕食提供 - モーニングケア:着替え、洗面、口腔ケア、整容、トイレ誘導など
- 午前:入浴、トイレ誘導、排泄介助、趣味活動、体操、個別リハビリ、散歩など
- 午後:入浴、トイレ、排泄介助、昼寝、趣味活動、体操、個別リハビリ、行事など
- 訪問診療、家族の面会、行事、理美容、自室清掃などは日中実施
- ナイトケア:就寝準備、口腔ケア、トイレ誘導排泄介助など
- 夜間、深夜:巡回(安否確認、トイレ誘導排泄介助など)
私が時々note、Twitterでつぶやいたり、ブログに載せる生活場面は上記のタイムスケジュールの中で起こった出来事です。
例えば、よく私が施設内で起こる出来事の中に”祭り”と称して発信しているものがあります。これは便秘の方に対して下剤調整後に起きる大量の排便処理のことです。調整後いつやってくるか分かりません。通常下剤については個別に医師の診察後調整が行われます。夕食時に服薬して頂き、次の日の日中に排便を促します。
予定通り排便があればいいのですが、下剤の反応を見ていると、入居者によってすぐ反応がある方。何も反応がない方と様々です。薬なので内服し続けると耐性が付き、年齢・健康・精神状態、運動量、水分・食事摂取量などによっても左右されます。
高齢になれば消化器官の機能は低下し、加えて今のコロナ禍、冬季期間のため屋外の散歩は出来ず室内での運動量は少ないため、正常な排便にならなくなります。みなさんもくれぐれも便秘には注意して下さいね。
(いつものことですが食事中の方すみませんでした😭)
ここからは日々の暮らしについてです。これもグルホそれぞれの施設によって様々あると思います。

常に現場はてんてこ舞い
限られた人員で毎日様々出来事、事件!?が発生して他愛のない?現実が繰り広げられています。そんなことをピックアップしてみると👇
- 排便コントロールが難しい人への対応
- 繰り返す不満や帰宅願望(自宅に帰りたいと思う訴え)
- 他者に対する暴言、暴力対応
- 入居者個人の性格などを鑑みての個別対応(他人といると必ず喧嘩をするなど)
- 個別リハビリ、プランによる個別対応※2
- 調理過程で個別対応【食事形態変更(むせ込み、摂取不良、食べ過ぎなど)】
- 取引業者、他サービス対応
- 入居者家族対応など
※2:介護サービス計画書のこと。介護保険で決まられた個別計画(ケアプラン)を元に入居者の生活全般を行う計画書。これがないと都道府県または市町村介護保険課の査察を受けます。
ルーチンワークですが、自分で改めて上記を書き出し眺めるとにかく一杯ありますね。なぜならば対人援助のため一筋縄ではいかぬのです。そして入居者9名それぞれに様々な境遇を経て入居されます。
職員の関りが少なくなると、決まってトラブル(イベント!!)が発生します。
グルホの扉を開くとそこはカオスです
Bさんは自宅に帰れないのが不満になり、自宅への帰宅を懇願する
Cさんは家族に会えない寂しさから、職員に対して抱きついたり突然裸になったりしてアピールする
Dさんは常に叫び続け、フロアがいつもライブ会場になり、これまた周りを不快にする
などなど…。
日常の中の非日常
入院生活は病気を治すために、一定期間自由が拘束されます。罪を犯せば刑期のため刑務所に収監されます。仕事や任務のため一定期間家族と離れて生活する方もいます。
そして認知症により、これまでの住まいから離れ自由な生活が出来なくなる方もいます。これらは日常の中の非日常な時間を過ごしているのです。
グルホで働いて様々な方々と会ってきました。初めは馴染めず混乱し職員と対峙したり、すべてを拒否するなど、新たな生活を受け入れない時期を過ごす方がいます。この状況で最期まで進む方もいました。
ある程度時間が経過していくと、認知症の進行、諦めからくる環境適応など、入居時と心身共に変化します。痩せたり太ったり。落ち着きが出たり、更に混乱状態に拍車が掛かったり人それぞれ。混乱状態が進めば薬による対処や個別に寄り添う関わりで症状が穏やかになれば良いのですが、その方の持ち合わせている人生、運命、宿命などに左右されるのかと、日々の生活を通して看て行くと、これまた感慨深くなります。
「人って何だろう?」
「人生の意味は?」
原因と結果 因果律 輪廻転生
宗教的な
哲学的な
科学的な
生物的な…などと夜勤の鎮まったフロアーでふと考えしまいます。

最後に
今回は 「グループホーム」 について書いてみました。
入居者の機微、心情の変化は時に自分の身に突き刺さります。人生の深淵を垣間見ると何故だか仕事を始めた頃の自分に戻ります。
人は生きるために糧を得なければなりません。日常は様々な営みの上で成り立っています。そんな中、福祉は人の生き様を見れます。今もどこかで人間ドラマは起きています。
毎日同じような時間の流れや生活があっても、同じ日・時間は無いのです。改めて自分以外の誰かによって私達は生かされています。
今の職場に感謝です。
さて、明日はどんなドラマが待ち構えているでしょうか!!😁
今回はここまでです。
最後まで読んで頂きありがとうございます。
次の記事で会いましょう。
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