人の人生はどのように決まるのでしょうか?
これまでの学びや経験から?
もともと決まっていた…
などありますかね。
ホームにいると認知症になる前の入居者の姿が予想出来ない。
それはきっと今が余りにも印象深いから🤔
みなさんどうも よしぱらです
人は今を生きています(当たり前ですが😅)
時間は一定方向に流れているなどと例えられます。過去から現在そして未来へ
この流れ実は本当なの?って感じるのがこの認知症。
時間の概念を超越した世界が彼女らの中では日々起こっている訳です。
今回はそんなお話です。
それではどうぞ!!
学校は?
AM10時横になっているAさんを起こしに向かう職員との会話

あのー学校に行かなければ?

どうしたのAさん?
学校て?

だってもうみんな学校に行ったのでしょう?
こんなに遅くまで寝ていて叱られてしまうわ・・・

それじゃー早く起きて
準備しなければね…
ところで学校はどこにあるの?

そんなことも分からないの?
えーと えーと
あれどこだったかしら?
お姉さん知っている私の学校?

それじゃー
まずはお茶でも飲んで考えますかねー
Aさんはもともと勉強は余り好きではなかったようですが、時々学生時代にタイムスリップするみたいです。10時のお茶の時間に起こす際はベット内ではしっかり覚醒しており、受け答えははっきり出来ています。
おやーこの受け答えはAさんが真剣に話している分、聴いている職員は面白いですよー😄
それでは紐解いてみますか!!
解説
時間軸は明らかに学生時代の様です。寝ていた時に学生時代を思い出したのか?
目覚めたとたん過去に戻ったのか?
状況は色々考えられます。
時間や場所などが分からなくなる状況を「見当識障害」「失見当識」と言います。脳の部位に海馬が有りますが、ここが機能しなくなると上記の症状が現れます。時間や場所の記憶について実は相当高度な脳の働きです。
①短期記憶
②長期記憶
の両面があるのは皆さんご存知でしょう。時間、場所に関しては記憶の定着には、個人差があると思います。定着まで時々度忘れはあるでしょうが、長期に渡って保持出来ます。
記憶の記憶などの働きにおけるメカニズムは、脳科学などの分野で研究されています。私達臨床の現場(グルホのこと)にて日々入居者との関りを注意深く見ていると、脳機能が低下した状態になると人は失った機能を取り戻すべく、脳内の本来司る部位の役割を越えて補完する働きがあると感じます。
見当識障害は認知症が進行するに連れ、時間や場所などがますます分からなくなり、混乱に拍車が掛かります。そんな時はやはり本人に寄り添う関りが必要になります。
対応
それではもう一度Aさんと職員の会話を振り返ります。
②Aさんの状況を予想(寝ぼけていないか?混乱していないか?など)し、傾聴しつつ一旦別の話題に誘導。Aさんの言動について気をそらしながら修正を試みる。
Aさんの言動に拘り過ぎると、心配が助長され不安な気持ちが強まります。そうなると更なる周辺症状を引き起こすリスクが考えられ、極力穏やかに過ごしてもらうよう誘導します。
このことから①②の対応を職員は行っていきます。
(これで落ち着けば良いのですが、更に不安な状況になることもしばしばあります😅)
まとめ
時間の流れについて、実は人によって様々なのかと感じます。それは健常者だとしても良い思い出や悲しい記憶に囚われてしまう経験はあるでしょう。病気によって引き起こされるこれらの「時空の迷走」は脳の機能不全により発症します。
また他の疾患の内服薬などの副反応(飲み合わせによる成分の変異など)によるものや、便秘やその他の身体的不調など複合的な要因も現場で入居者を観察していると分かってきます。
あ!ちなみにAさんお茶を飲んで軽食を食べている頃にはさっきの話はすっかり忘れ、隣の入居者と談笑されているのでした。
それにしてもAさんの通学の記憶。今もなお甦り学生時代にどんな思い出があったのでしょうか?
そしてまた同じ様な発言は繰り返されます…。
Aさん今度は無事に学校に行けるといいですね。
なーんて考えるのでした😁
今回はここまで
最後まで読んで頂きありがとうございます
次の記事で会いましょう。
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