人それぞれ見ている世界は違います。
こと認知症の人達は何と言うか、人間や物事の本質を見ているのか、時々「はっと!」
した言葉を投げかけてきます。
きっとこれまでの個人の経験や学びがベースとなり発言はありますが、表現方法において独特な発言となっています
(認知症によるなどの影響から)
さて、いつもホームにて今回も入居者の日常のやり取りをお届けします😁
~自信ありげに~
ある日のレクリーション(以下レク)の時間

今日はものあてゲームをします!!
さて、これは何ですか?
”みかん”を参加者全員に一度見せます
すると回答の中で、独特な答えが返ってくる方がいます。

まる!!

ほー!!Aさん確かにまるですね
更に分かったことありませんか?

美味しそう!!

なるほど!!これ美味しいですよね
さてこれの名前は?

おまんじゅう…
一同ずっこけてしまいました…😅
次の瞬間、一瞬にして場は盛り上り、参加者全員の大笑いが起こります。
発言したAさんだけがきょとんとしていますが、本人は至ってまじめに答えている分、
面白さが増します。また、出題者の意図と違う回答で落差が大きければ大きい程笑いに繋がりやすいです。
数多くあるレクの中でも、ものあてゲームは手軽に始められ適度に脳を刺激し、参加者の体調なども含めた様子を知れたり、叫び声やホーム内の雰囲気が悪い時に行うと、ちょっとしたアイスブレークとして出来るのも良いです。
レクは停滞気味の環境を変えて、良い気分転換をもたらしますね。そしていつもこんな感じで進んで行き、時として予想だにしていない答えが返ってくるのも面白いのです。
(笑いの宝庫ですなー😄)
解説
上述した症状は失認と思われます。失認とは何かについて調べてみます。
感覚障害がないにもかかわらず、物体や人の顔などが認知出来ない状態で脳の機能障害の一つ。障害を受けている脳の部位によって症状が異なります。
みかんを見てみかんと答えるには、これまでの経験(見る、触れる、匂いを嗅ぐ、味わう)が必要で、更にみかんとして認識してそれを記憶、必要時に求められた回答して言葉や絵などで発する。
これら一連の行動は脳が正常に機能していれば難なくこなせますが、脳梗塞などで脳に何らかの障害を受けるとたちまち出来なくなります。
今回の話ではないですが、脳は常に複数の領域を状況に応じて使い分けているのが分かりますね。
対応
①発言などを受け入れる
②別な視点から本人の状況に応じて情報を伝える
ただ、認知症高齢者において必要以上に問い続けるのはマイナス効果が多いので、2・3回聞く程度で次のお題に変えたり、ゲーム自体を終了します。
おわりに
今回は失認についてでした。誰にでも思い違いはありまして、認知症を患っていれば尚更です。
物事をとかく白黒つけたくなる傾向はありがちですが、ギスギスした物言いは場をしらけさせますので、曖昧でほんわかな対応も必要になります。
レクなどを通して入居者の日々の状態を知るのは筆者の仕事です。
今回紹介した「ものあてゲーム」はいつもうける(楽しい)回答であれば良いのですが、時に正しい回答だと、かえって「どうしたの?」となります…😁
(どこか体調悪いか!!😰)
おあとがよろしようで・・・・
今回はここまで
最後まで読んで頂きありがとうございます
次の記事で会いましょう。
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