現在9名の入居者が住んでいる私の職場。今日もそれぞれの時間が流れています。
昨日筆者は入浴介助担当。我がホームでは一日2~3名の入浴支援して、一人で入れる方はほとんどいないので、ほぼすべての方が何らかの支援を受けています。
昨日Twitterからのつぶやきが今回の元ネタです
今日の大喜利はそんな入浴中の一コマです。
今は歩けないため、車いす生活
そして入浴もシャワーキャリーを使用しています。
さて、服を脱いでいざ浴室へ!!(もちろん大絶叫中です!!)

今日も元気ですねー!!
(大絶叫を耳にして😭)

ぎゃあああああー--

そんなに叫ばなくても大丈夫ですよー
(何故にそんなに叫ぶ...)

ぎやああああー--!!
(小声で)ごめんねー--!!

え!
大丈夫ですよ!!
(叫びたい貴方の気持ち
心に留めていますよ…)
シャワー浴中ずーっと叫び続けたAさん
筆者は狭い浴室で入浴介助。もうすっかり慣れましたが、今のご時世より入浴介護中もマスク着用。
(これが本当に息苦しくてね...😵)
ライブ会場? いや...
ホラー映画の劇場? いや...
ただの浴室です😵(Ω\ζ°)チーン
入浴中を含め一日中ほぼほぼ叫んでいるAさん
今回も入浴前準備から入浴後ベッドに横になって着替えして、最後に濡れた髪の毛を乾かす最中でさえ
絶叫は止まらなかったのでした…😨
すべてが終わった後、叫び疲れからかやっと静かになり寝ました😴
その後ホームにはひと時の静寂が訪れます。
それにしても、本当に絶叫が止まらない!! 絶叫の様子はデスメタル ハードコア系のライブ会場と遜色ないです。アーティストやオーディエンスがパフォーマンス中で叫びまくるのは、せいぜい2時間が限度だろうが!!
Aさんはそれらをはるかに凌駕する時間と声量、そしてパワー!!があります。
”人間の体ってまじで凄い”って🤔
解説
さて、改めて「叫び」の意味は何でしょうか?
これを考えると答えは、叫んでいる本人でないと分かりませんが、筆者の憶測ですと
②嫌な気分・状況による
③何か別なにを言いたいが、言えずに叫びとなっている
④反発 怒り 憎しみ 呪いなど負の感情が沸き上がっている状態
など様々な要因が考えられます。
Aさんはアルツハイマー型認知症。
入所から4年近く経過しており、当初は穏やかで冗談も言える方でしたが、ある時風邪をこじらせて、病院へ緊急入院。経過は良好だったので、一週間程で退院してホームに帰ってきましたが、何やら状況が一変します。
入院生活で足の筋力が低下して歩けなくなり、移動は車いすになりました。次に言葉数が激減し表情が険しく以前の様な笑顔は無くなり、次第に叫び始めたのでした…。
かつてはボランティア活動の一環で町内婦人会の委員をする傍ら、はじめて地元住民と作った盆踊りの振り付け、普及活動に尽力した方です。
入居当初のAさんに○○音頭を聴かせると、笑ったりおどけながら良く歌って踊っていました。
そんな光景は今は懐かしく、現状の姿を見ていると認知症は本当に残酷な病であると再確認するのです。
まとめ
今回は入浴介助と言うよりは、Aさんの絶叫にフォーカスしました。
最近のAさんの行動パターンは二日間絶叫が昼夜続き、3日目に静かになる(力を使い果たしてほぼ寝ている)様です。
他の入居者からすると、絶叫は本当にたまったものではないです。
Aさんの絶叫が始まると程度によりますが、Aさんは自室で過ごします。その間は横になったり、音楽が好きな方なので童謡などを聴いて落ち着くまで過ごしてもらう時間が増えています。
絶叫についてその原因は何か?考えました。
更に深掘り
これまでお祭り好きで、賑やかな方の反面、いつもは物静かで怒りなどの感情は出さなかった方なのかと感じます。実際ご家族に確認しても、怒っている場面は余り見た記憶が無いと話されています。
人は人生の晩年、そして死ぬ過程において、これまで決して人前で見せない心の奥底にしまい込んだ感情、気持ち、思いなどがあります。
認知症や精神疾患以外の方が亡くなる過程では、前述の感情は小出しに、もしくは人前で出さずに上手に表出していたのでしょうか?
または心の奥底の負の感情は「墓まで持っていく」人、大勢るのでしょうね。
ただ、認知症になるとこれらの負の感情が、まるで溢れ出すかのように止めどなく漏れ出してくる方をこれまで多く見てきました。
Aさんと接して、こんな憶測が私の心に過るのです
「ずーっと押し殺した、叫びたい程の辛い経験や記憶があったのですか?」
「まだまだ叫びが足りないですか!!」
そんな負の気持ち全て吐き出しているのかと・・・。
「怒りや悲しみなど負の感情は溜め込まず、吐き出しましょうね」
そんなことを考えて今回のご提案その①
アンガーマネジメントの本をこれまで数冊読んだことがあります
怒りの原因やその対応など詳しく事例を挙げて説明しています。
今回の提案商品はあえて本ではなくゲームです。
対象年齢が小学生以上ですので、怒りなどについて遊びながら学ぶ。この発想は面白いと思います。
ご提案その②
怒りが出たら、溜め込まず誰かに話すのが一番です。
パートナーがいる方、いない方それぞれでしょうか?ハーブティーは怒りを鎮める効果があります。
私も怒りが強く起こる時があります。そんな時は妻が出してくれるのが、ハーブティーです。
飲みながら、話すと徐々に怒りが収まります。人によってストレスの発散方法がありますが、今回はこの2つの商品に提案でした。
ご興味のあるかた是非お試し下さいね。
ホーム大喜利も今回で10回目になりました。10回を振り返ると様々なシチュエーションの中、認知症についてまだまだ断片的でありますが、この病の言動、及び周辺行動が垣間見てきます。筆者もまだまだ知らない世界が沢山あります。これからも日々入居者と接しながら、新たな発見やその対処法を模索したいと思います。
介護・福祉は本当に奥が深く、病名は同じでもその方の性格、生活歴など複数の要因が絡み合った結果誰一人として同じ方はいませんね。年を取れば何らかの持病は持つもの、それが認知症だっただけって人もいます。
さもすれば、重く暗く捉えがちな認知症ですが、視点を変えて「大喜利風」にすると、クスッと出来る瞬間はあります。発想の転換です。この認知症ワールドを楽しみ、前向きに捉えて、身体介護はプロに任せて、家族にしか出来ない心のケアにお役に立てる情報を今後も発信していきます。
今回はここまで
最後まで読んで頂いてありがとうございます。
次の記事で会いましょう。
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