ホーム大喜利#11

介護・福祉

夏真っ盛りホームでは今日も様々な人間模様が繰り広げられています。
今年は7月初めは暑い日が続き、この先が心配でしたが8月に入ってから意外と涼しく過ぎています。
それでも夏でして、夏バテ気味な入居者はいるのです。

今回の場面
「食事の一コマ」
最近食事の摂取量が落ちてきたAさんに対しての対応です。

Aさん

食べないと夏バテするよ

いやー-なにするの?!

これは食べなくていいから

それだけは食べましょうね

誰か!!助けて!!殺される!!

誰も殺しませんよ!!

お願いだから食べてー

あらそう!ありがとうございます

その後も食べる食べないの押し問答が続きます…😅

考察

Aさんはもともと食べるのが大好きな方です。この数カ月で認知症の症状が悪化しています。
食事量低下に伴い、食べる動作(食べ方)を忘れてきていて、また、水分摂取も少なくなり
こちらも心配な状態です。


人間の食べる行為は生命維持はもちろんですが、何より人生の中においても食事は楽しみの一つです。

ある特定の脳機能が低下するだけで、この食べる=摂食行為が阻害されます。
食欲について以下の様な記述がありました👇

食欲の調節には脳が関与しています。
 脳の視床下部には2つの中枢があり、「お腹が空いたな」「お腹がいっぱいだな」などの信号をキャッチします。
すなわち、視床下部摂食中枢満腹中枢があり、胃が空っぽになり、胃がキューっと収縮し、お腹がグーと鳴ったら、摂食中枢が働いて食欲が湧きます。

東京薬科大学HPより 

視床下部について、改めて脳のどこにあるかの確認です👇

脳のはたらき | すわ動物病院
イラストACより

食べ物を認識する、箸やスプーンを使って食べるなどの行為は、普段何も考えないで出来ている人が多いため、改めて考える機会はそんなに無いです。筆者は高齢者福祉(認知症)の現場で彼らを目の当たりにして、「食べる行為とは何ぞや?」と常日頃から考える様になっています。

病院や福祉施設などで働いていないと考えもしない事柄ですが、人間の行動は生まれてから死ぬまでに獲得と喪失の繰り返しなのだと感じます。(うーん深いですな!!🤔)

今回の大喜利でのテーマに関する書籍で、良いなーと思った商品がありましたのでご提案します

在宅で介護されている方。もしくは、これから福祉施設で働く予定のある方なら、一読しても良いのかと思います。食事について、その介護を必要とされている方の状況で対応が変わりますので参考までにどうぞです😊

まとめ

食事拒否について、今回はAさんをモデルに考察しました。

認知症の種類として代表的な物として
アルツハイマー型認知症
脳血管性認知症
レビー小体型認知症
前頭側頭型認知症

Aさんは②脳血管性認知症からはじまり、①アルツハイマー型認知症へ進行していきました。この様に変化して行くのも認知症の特徴です。
改めて認知症はタイプ別に中核症状※1や周辺症状※2があります。これらが進行によって複雑に出現していきます。介護についても個々の現状によって使い分けます。

今後Aさんは食事を自主的に食べるのが難しくなります。そうなると今は声がけ、促し、始めの数口を食べてもらう様に食事介助をしていますが、やがて全介助になっていくのでしょう。
食べる行為=食事は生命維持の他、楽しみと前述しましたが、それらが失われていく過程は辛いものです。やがて訪れるその時まで、筆者は出来る介助を淡々と行って日々関わっていくのです。

ちょっと今回の大喜利は、介護の現実を書いています。悲しいですが現実であります。

人の一生は楽しい場面の裏側に、悲しさや辛さなどが見え隠れしています。そんな訳ですが、読者の方々に少しでも、介護について知って頂ければ幸いです。

※1:一般的に「認知症の方なら誰でも現れる症状」
脳細胞が壊れ、働きが低下し直接的に起こる症状。 料理、掃除、洗濯などの家事が上手に出来無くなったり、体験した経験などを忘れてしまうなどです。

※2:妄想、幻覚、不 安、焦燥、せん妄、睡眠障害、多弁、多動、依存、異食、過食、徘徊、不潔、暴力、暴言 など必ずしも認知障害※3と言えない行動的な障害。

※3:「記憶障害」「失語」「失行」「失認」「遂行」機能障害」の5つあります。

 
今回はここまで
 
最後まで読んで頂きありがとうございます
次の記事で会いましょう。




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