VOL.9
改めてこのブログのコンセプトは以下を書いていきます。
- 介護、福祉それらにまつわる金銭的な話
- 介護保険制度
- 福祉現場におけるよもやま話
- 時々雑記(筆者の趣味の世界)

さて今回の記事は前回の
”介護保険って良く分からん!!どうやって使うの? #1”の続きです。
介護保険を利用するにあたり、経験上大きく分けて2種類あるよ
②家族や親族もしくは本人が事前に調べて利用につなげる場合
前回はご家族が入院などにより、退院後介護が必要になったところまでを書いています。
今回は上記を踏まえ①のパターンで話を進めます。
親の年齢、性別、罹った病気、その病気の後遺症などで今まで住んでいた自宅で、一人もしくは同居家族との生活が立ち行かなくなった時、入院中から考えます。
入院してから数時間後、病院の医療ソーシャルワーカー(MSW)もしくは退院調整の看護師(DPN)などがやってきます。
ここで聞かれるのは以下があります。
- 年齢確認(40歳以上で医師が診断した病気で16の特定疾病に該当するか?
(入院時のフェイスシート作成時の聞き取りも兼ねることあり) - 現在介護保険利用しているか? Yes or No
- 2でYesならケアマネージャ(居宅介護支援事業所はどこか?)は誰か?
- 2でNoなら介護保険申請する? Yes or No
- 入院期間と退院後の生活拠点の有無
- 身障者手帳など障害福祉に関する手帳などの所持の有無
入院し気が動揺している中、矢継ぎ早に質問を受けます。
改めて病院のこと、入院期間について
入院についての病院(病床)は大きく分けて一般病床、療養病床の2つに分けられます。
この際の入院期間は概ね2週間前後。なお急性期病院は「一次病院」とも呼ばれ、3段階の緊急病院から成り立ちます。
その後はリハビリが必要なら回復期リハビリテーション病棟とそれ以外は療養病棟へ転院となります。
対象疾患 | 発症からの期間 | 入院期間 |
---|---|---|
脳血管疾患、脊髄損傷、頭部外傷、くも膜下出血のシャント術後、脳腫瘍、脳炎、急性脳症、脊髄炎、多発性神経炎、多発性硬化症、腕神経叢損傷(わんしんけいそうそんしょう)等の発症後もしくは手術後、又は義肢装着訓練を要する状態 | 2ヵ月以内 | 150日 |
高次脳機能障害を伴った重症脳血管障害、重度の頸髄損傷および頭部外傷を含む多部位外傷 | 180日 | |
大腿骨、骨盤、脊椎、股関節もしくは膝関節の骨折、又は2 肢以上の多発骨折の発症後、又は手術後の状態 | 2ヵ月以内 | 90日 |
外科手術又は肺炎などの治療時の安静により廃用症候群を有しており、手術後又は発症後 | 2ヵ月以内 | 90日 |
大腿骨、骨盤、脊椎、股関節又は膝関節の神経、筋又は靭帯損傷後 | 1ヵ月以内 | 60日 |
股関節又は膝関節の置換術後の状態 | 1ヵ月以内 | 90日 |
リハビリにも色々あり、ここから退院向けての戦いが始まります。けれど、退院後の家族間の問題として自宅に戻れないなどです。そこで「今後の生活の場をどこにするか?」などについてが以下の話です。
今後の生活の場をどこにする
身体に障害が残ると、これまでの自宅での生活が出来ない人は大勢います。自宅以外の選択肢として次があります。
療養病床には医療保険対応型病床と介護保険対応型病床の2種類あります。
入院期間:3ヶ月~6ヶ月。あとは入院先によって、それ以上の入院期間可能な場合があります(入院時に要確認)
入院期間はあっという間に2週間に達します。その間に主治医から病状の現状報告と今後の本人、家族の意向確認を行います。(このことをインフォームド・コンセント(IC)と呼びます)
IC後は頻繁にMSWなどと面談し、退院について話になります。
ただ筆者が様々な家族を見てきた経験から、病状などにもよりますが自宅(在宅)へ戻れる方とそうでない方が出てきます。
この他に福祉施設が選択肢になりますが、今回は病院に特化した話なので省略します。
退院後自宅に戻れない理由
以下が考えられる理由です。常日頃から両親、自分、家族などが入院すると考えられる人はどれほどいるでしょうか?ここでそんな考えのひっかけになればと思います。
- 退院後の自宅のマンパワー問題(誰が看護・介護するか?)
- 家族などとの関係性(当人との関係性の良し悪しこれとても重要です)
- 自宅の環境問題(ベッド・医療機器が置けない、介護環境が整っていないなど)
- 金銭面
以上問題は上記以外にもまた複合してあします。改めて、ここから家族と病院サイドとの退院までの調整の攻防戦が繰り広げられます。
退院の期間はシビアです
家族はとにかく次を早急に決めなけばならず、入院による現状認識もあやふやな状況で深く考える暇も無いまま退院に向けた次を決断しなければなりません。
またMSWなどの病院職員も入院期間で次の入院先や住まいについて考え、家族の意向に沿った場所を提案します。これらの話は決して他人事ではなく、誰しもが関係のあると思います。
介護保険申請前の入院患者の目線、そこで申請に向けて動く現場職員を述べました。昨今は入院期間がどんどん短くなっています。これはニュースなどでも言われている年々増加している医療費抑制がそこにはあります。
今回はここまで
入院にフォーカスしても、かなり難しくややこしい内容ですので、じっくり時間を掛けて説明していきたいと思います。
次回は②家族や親族もしくは本人が事前に調べて利用につなげる場合
のパターンの時を書いていきます。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
それでは次の記事で会いましょう。
追伸:この記事は2022年11月21日に更新しています。
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