【介護職】転職を考えている未経験者のあなたに現場職員からのアドバイス

介護・福祉

コロナ禍が続く昨今就業環境も大きく変わっています。その中で常に人材不足な業界が介護業界です。
当ブログではこれまで介護全般について述べてきました。
今回は介護業界で働きたい方向けの記事になります。

労働環境・現状について現場で働いている筆者の目線で伝えてみます。
まずは結論から今現場で求められている人材は

時代の変化に柔軟的な発想行動力を持った方

日本の福祉の現状

これまで何かと3K(きつい・汚い・危険)などと揶揄されてきた職場でしたが、日本の高齢化は読者の方々の知るところでしょう。
まず初めに介護福祉分野の実情です。

下の表より

https://www.mhlw.go.jp/stf/wp/hakusyo/roudou/21/backdata/02-01-05.html

出典:厚生労働省HPより

表より2021年の有効求人倍率の推移が分かります。2020年のコロナ流行で下降しましたが全職種から見ても依然高い数値です。
ここから読み解くと、なぜ介護・福祉業界は高いの?どうして?となります。

結論:この業種は人気が無い

残念ですがこれが現実です。ここから現場からの考察です。

なぜ介護福祉職は人気が無いのか?

私の働くグループホームは認知症の方の専門施設です。介護福祉業界は多種職種があります。心身の介護メインのもの、相談業務メインのものその両方など様々。一概に全部が人気無いとは言えず、365日サポートしたり、必要な時間帯のみのサポートなど別な側面があるので必ずしも同じではないです。

さて、例えば認知症と言えば

・厄介な病気
・何だか凄そう!!
・関わりたくない
など…
イメージは概ね当たっています。ご家族親族・友人などに認知症の方がいるとまずこの様な感情を持たれるでしょう。そんな「大変な方々を相手にとてもとても出来ない」となるのも当然かと思います。
 
人が生きていく上で必ず生老病死は避けられず、この過程を支える職業は昔からあります。世の中は実に上手く出来ていて、どんな職種も必要とされているから今存在しています。時代のニーズから不必要とされ自然と消えていくのは仕事だけではなく全てのことわりでなのしょうか。
 
本題に戻ります。「なぜ人気が無いのか?」について要因は様々でしょうが大きくこの二つです。
 
①給料が安い(待遇面ひっくるめて)
②カッコ悪い(やりがい・世間一般の認知度などの世間体の低さ)
筆者の独善的な考えですので、同業界の方々これから就業希望の方で気分を悪くされた方はご容赦ください。人は正直で自分から興味ない・好きでない分野に行くのは余りないと思います。
 
①についてこの業界は、国の3年ごとに出される介護報酬によって、介護保険下で行われているサービスについての対価(金額・給与など)が決まります。この介護報酬改定は直近では2021年に行われ、次回は2024年に行われます。これが介護保険下のサービス事業者にとって実に悩ましい改正なのです。

直近の改正を見てみるとマイナス0.5%(介護報酬が下がっている状態)です。
けれど近年介護職員の人材不足に対して処遇(賃金)の見直しは行われ、介護職(施設系・在宅系の介護職員について)の賃金は上がっています。

②について、これも未だに根強い壁です。
先程上げた資料の2021年の有効求人倍率を見ても、全職種と介護サービス業を比較しても2.47の開きがあります。

ここから良い兆しの話ですよ

前章まではシビアな現実について書いてきましたが、介護・福祉職のやりがいについて書いていきます。

介護・福祉業界の働き先について

では実際の高齢者福祉の働き方・給与面などの現状はどうなのでしょうか?
一例ですが実際のサービスごとに見ていきましょう。
①デイサービス(在宅生活支援)
《特徴》
❶曜日ごとに変わる利用者(心身状態が様々)
❷リハビリ・レクリエーション(アクティビティ)・入浴が主なサービス
❸利用時間により選べる(一日コース・半日コース)
❹給与面で現状では一番安い(理由:提供時間が短いなど) 

1⃣平均総支給額:278,180円※
2⃣向いている人
・人と接するのが好きな方(コミュニケーション能力が高い人)
・多趣味な方(特に手芸などの創作系・音楽系・運動系)
・運転が苦にならない方
②特別養護老人ホームなど(施設介護)
《特徴》
❶24時間・365日入所者と向き合う
❷介護スキルが向上しやすい
❸看取りまでを通した日常生活をサポート
❹給与について一番高く介護報酬の影響が受けにくい(極端な給与低下は起こりにくい)
1⃣平均総支給額:345,590円※
2⃣向いている人
・じっくり入所者と関りたい方
・施設介護における生活サポートに興味ある方
・多趣味な方(特に手芸などの創作系・音楽系・運動系)
③老人保健施設(施設介護)
《特徴》
❶多職種との連携(多職種のアプローチ・専門性など)に興味ある方
❷薬をはじめ、リハビリ、栄養面など多方面に勉強したい方
❸医療・介護スタッフの関係性は概ね対等(医療行為など責任が伴う業務を外した時に)
❹夜勤について休憩(仮眠)時間がある
1⃣平均総支給額:338,390円※
2⃣向いている人
・ただの施設介護だけでなく在宅復帰(自宅に戻る)の目標に興味ある方
・医療系スタッフと仕事をしてみたい方
・多趣味な方(特に手芸などの創作系・音楽系・運動系)
④訪問介護(在宅生活支援)
《特徴》
❶個々の自宅において、その方の日常生活の足りない部分のサポート
❷ヘルパーそれぞれの個性がはっきり出やすい
❸利用者の要望時間帯に応じたサービス提供
❹訪問介護を提供する人材が少ないがニーズがとにかく高い
1⃣平均総支給額:314,590円※
2⃣向いている人
・家事スキルが高い方(調理・洗濯・掃除などが得意な方)
・限られた道具(利用者宅にある調理器具・洗濯機など)などの使いこなしが苦にならない方
・利用者宅の生活環境での個々に合ったサービス提供に興味ある方
④グループホーム(施設介護)
《特徴》
❶認知症の方に特化している
❷少人数(5~9名)対応
❸看取りまで生活全般を見届けられる
❹介護スキルがとにかく試され仕事難易度では一番高い(難しい)
1⃣平均総支給額:291,460円※
2⃣向いている人
・とにかく認知症介護に興味ある方
・忍耐強い方(繰り返し言動、びっくりする出来事に動じない)
・介護スキルの高い方
※:厚生労働省「令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果」より参照
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kaigo/jyujisya/21/dl/r03kekka.pdf
 
①~④についていわゆる身体介護がメインで気力・体力が重要です。ただ、求職の幅が広いのも特徴的で20代~70代までの方々がそれぞれで活躍しています。
更に介護職は全くの未経験から現場で働け、そして次に目指すのがキャリアップアップ。
資格取得で仕事のモチベーションが上がり、何より無資格者より給与が上がっていくのが魅力的です。
ステップは❶~❸です。
初任者研修:働きながら通信・通学など学ぶスタイルは様々。資格取得の講義.演習で構成させいされる約130時間の研修受講と全課程終了後の修了試験に合格が必須です。
(費用について)
5~8万円前後
またハローワークの介護労働講習・求職者支援制度があります。
雇用保険受給中の方や雇用保険が受給が出来ない求職者などを対象とした制度で、無料で介護職員初任者研修を受講できたり、就職斡旋を受けられます。
https://www.mhlw.go.jp/bunya/koyou/kaigo_roudou/looking_job3.html

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実務者研修:初任者研修の上位に位置づけられる資格(研修)。取得で介護福祉士国家資格の受験要件の一つを満たせます。全20科目の座学と演習(スクーリング)で構成され、学習時間などは450時間+医療的ケア演習となります。
(費用について)
・無資格者の場合:7万円~15万円位
・介護職員初任者研修修了者・旧ホームヘルパー2級修了者:5万円~10万円
・介護職員基礎研修修了者・旧ホームヘルパー1級修了者:2万~5万円
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介護福祉士:実務3年に加え、600時間以上(6か月以上)の実務者研修の受講を義務付けがあります。 教育内容を1,800時間の課程に充実するとともに、新たに国家試験を義務づけされています。
介護福祉士取得後、更なるランクアップとして次があります。
ケアマネージャー(介護支援相談員)
認定介護福祉士など
もし、働き続けて体力に自信が無くなったり、身体介護より相談業務などに就きたい時はケアマネージャーがおすすめです。
ケアマネージャー(CM):介護を必要とする方が介護保険サービスを受けられるように、ケアプラン(サービス計画書)の作成やサービス事業者との調整を行う。
【資格取得について】
指定業務を5年以上かつ900日以上経験し、介護支援専門員実務研修受講試験に合格する。
【就職先】
①居宅介護支援事業所
②特別養護老人ホームなどの施設
③地域包括支援センター
④介護用具のレンタル事業を展開している民間企業
【給与】
平均給与409.7万円※
※厚労省令和3年賃金構造基本統計調査より

需要は増える介護福祉業界

高齢者が増えれば仕事は無くなりません。ただ、取り巻く環境について現状が改善されなければ転職先として厳しさは増します。それは待遇面や社会的認知度でしょう。

介護福祉業界は給与面では全産業より安いと言われていますが、転職条件が比較的ゆるいのがメリットです。就業形態にこだわらなければ、間口は広いと思います。

また年齢やこれまでの社会経験が活かせるのもこの業界の魅力です。実際に50歳以降の方も大勢働いています。

転職・求職サイト利用

これまで転職活動について、中途採用で正規雇用を目指すなら「ハローワーク、求人誌、人材バンク」などで情報収集して面接を受けていました。
現在はそれにプラスして転職・求人サイトの利用があります。

【利用理由】
①アドバイザーが面接対策・面接同行・条件交渉まで徹底サポートしてくれるサイトあり 
②無資格者でも気軽に相談しやすい
③キャリアアップ・年収アップを目指す方に自分で探すよりも良い転職先を提案してくれる
 

求められる人材

結論:「時代の変化に柔軟的な発想・行動力を持った方」です

なんて書きましたが、これは筆者の属している業界だけではなく、あらゆる業界においてのキーワードです。介護福祉業界は今後更なる業務効率化を求められ、少ない人員で安全に現場を運営して入居者の生活の質を上げて行くなど無理難題に見舞われていくと思います。

かつて介護は「誰でも出来るじゃん」と言われ、それぞれの家庭において特に女性が多くを担ってきました。それ故仕事として見た時、意味なく軽んじられたのかと思います。
実際介護を行う立場になれば分かりますが、いかに介護は難しく改めて様々な知識を要するものだと理解します。

改めてこれから介護福祉職を希望する方への筆者が考えるポイントを以下に挙げてみましたので参考になれば幸いです。

具体的ポイント

①楽しんでいるか:これが一番重要。自分が楽しんでいないと継続は難しいです。
②自分を労わる:心身の疲労度、ON/OFFの切り替え。どうしても合わない時はすぐに辞める。
③協調性:介護はチームプレイなので、コミュニケーション能力も含め大切です。

④観察眼:異変に対する気付き。(相手の発言、表情、体調、感情などの変化)
⑤提案力:入居者・利用者に対するサービスや職員に向けての自分の考えを伝える力。
⑥独自性:提案力にリンクしますが、サービスに対するあなた独自の接し方など。
⑦行動力:提案力・独自性にリンクサービスに対して仮説を立てながら積極的にやってみる。
⑧考察力:サービスにおける全体像を見て分析・修正・評価・再提案など考える力。
⑨冷静さ:対人援助ゆえの感情コントロールは必要です。気持ちは常にフラットに。
 
離職率の高い職場の原因の多くは人間関係です。介護福祉の分野も同様で対人援助は相手が何らかの悩み・障害を持って利用している方々。それらの思いを共感して、支援していく仕事なのです。

上記の”PASONA”さんは転職サイトとして、特に関東エリアで転職を考えられている方にはにおすすめです。まずはどのようなサービスが受けられるか詳細はバナーをクリックして確かめて下さいね。

まとめ

今回は「介護職の転職を考えている未経験者のあなたに現場職員からのアドバイス」と題して話してきました。介護福祉分野のこれからはAI、ロボットなどの技術の進化で置き換わる分野と考えます。ならば人間にしか出来ない強みが試されます。

人間にしか出来ない強みとは「独創性」です。これは技術・知識が伴い経験則を重ねて得られるスキル。
対人援助は予測不可能な出来事の連続でありそれは人を相手にするからです。

異業種から転職を検討されているみなさん、これまで培ったご自身のスキルに新たな介護福祉業界における知識・技能を学び、それらを掛け合わせてあなた独自のサービスを作って下さい。
3K・4Kなどと言われる業界ですが、人間の最終ステージを見てやがて自身も通り過ぎる老いに対して考える機会がふんだんにあります。

新たな挑戦は勇気・行動を必要として、不安が付きまといます。はじめの一歩を踏み出して合わなければ「違う場所に行く」と気軽に考えてみてチャレンジして下さい。そして働く中で人生の最終章にある方々を通して見えてくる「人とは何か」を楽しんで下さいね。

今回はここまで

最後まで読んで頂きありがとうございます。

次の記事で会いましょう。

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